みっともない人体 バーナード・ルドルフスキー 

 ルドルフスキーによるといれずみは「芸術的洗練の方向に向かっている」そうだ。ともかく、皮膚と衣服は同化する。その点で、想像力が衣服に働くのと同じように、皮膚をカンバスとしてその上に働く為とする。が、それは衣服もなにもかもただ、洗練するという前提の上で、結局の所理由とはならない。
 彼がいれずみの「耐久性」を欠点と呼ぶ事は、ある意味正しい。彼のこの本で扱う所のファッションは「人為的」に「次々と変わるような社会」の話だからである。その観点はあくまでファッションの点であるが。
 足のトライバルタトゥーと女性のタイツとは非常に似ているように見えるだろう。特に白黒の写真で言えば。女性の足は特に西欧では性的な物とされ生で出す事はなかった。隠すため、魅力的に見せる為に装飾されたストッキングがかぶされた。前者のいれずみもまた魅力的に見せる効果を持っていた。男性に多いものだろうけれども。ただ似ている物を並べるだけのは、少し早計な気もした。