『武士の家計簿』磯田道史

 江戸時代は数学、経済などの実学は蔑視されていたみたいだってこと。明治維新でうまく政府関係の仕事につけると、めちゃくちゃお給料が良かったって事。武士になると世間体があって出費が多かったよってこと。
 特に一番最後があったから、士農工商システムがなりたったんじゃないかっていう指摘は納得。
 


 近世と、近代はいかに「身分」が存在していたか、またはそれを解体していったか。共通テーマ(?)。当然ながら、解体してポンって新しいなにかができるわけじゃない。鳶職も、火消しとしてそのまま継続した人がいる。が、同時にその他の人々も入って来た事、家の作りが変わった事(そしてポンプ車みたいな技術が導入された事)などが、それまでをなりたたせなくなる。「勇み肌の兄」とそのいれずみ関係を軽率だと新聞は批判するけれど、逆にそういった男気の文脈を切り替えて言えば、お国のために戦争に行く男気になるわけだ。言い換えの問題(違う)。