福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

 新聞に紹介されていて気になっていたのが、サークル部屋にあったので無断読書。
 理系でここまで文章がうまく、こういう話ができるとは!(理系はこういうのは苦手という偏見?)
 内容としてはDNAの構造についてもわかりやくす書いてある。少なくとも、私が高校では習わずに大学の教養の授業(文理共通。8割がた理系だった)で習った、DNAの自己複製のはなしにも触れている。
 また、野口英世やエイブリー、DNA螺旋構造発見についての紀伝的なストーリーたちが興味深い。ワトソン&クリックについては、1ページに集約された無駄のない論文は理系界隈では理想とされているようである。同時に発見発表までの出し抜きや、前提となった研究との関わりといった攻防戦には、非常な人間くささがあるというはなしは聞いていた。それがこういうことだったのね、と合点がいった。

 ポスドク悲哀なども見て取れるし。
 うーーん、中学生ぐらいに読ませたい(←大きなお世話)。というのは、読みやすさと、それでも生物の知識がしっかり描かれているように思えること、そしてただの理想譚だけじゃないように見えるから。

 どうでもいいけど、帯のU氏のコメントが… なんか適当すぎやしません?茂木さんの方は、そうだね、と思うのだけど…