恋とはどういうものかしら 岡崎京子

 女性のさめた視線。大きな瞳。少し古い格好。
 全てが今となっては少し、古く感じてしまう。そのこと事態が、当時は最先端だった事を示しているのだろうなと思わせる。
 個人的には死神の話がかわいい。
 セックスが商品価値を得ている事が感じられる。愛だとか好きだとかじゃなく、手段というかまぁやるか、的な雰囲気。勿論、好きだから、恋人だからというのもあるのだけれど。それをあっけらかんと提示してみせる。しかし今では、もっとセックスが意味を付与されたいとみなされた描かれ方をするのではないのかしら。消費やさめた視線同様、セックスもあくまで消費し始めるものとして、価値あるものだったのかもしれない。例えばそれは、服だとかをひたすら買ってしまうお話があるように。