浅草公会堂&木馬亭

 museum分類ですが、リアル見世物。学会遠足でした。
 新紙芝居創世記のプロジェクトを浅草公会堂ですずき佳子さん、クマガイコウキさんから伺う。
 紙芝居の流れは江戸末期のレンズ文化からきた「覗きからくり」と「たち絵」という大道芸の、二つの流れの融合からきている。それはストーリーと絵という流れ、それから代替としておやつを売るという紙芝居の性質の二つの部分である。
 この紙芝居の形態は昭和4年頃に作られ、5年に「黄金バット」が流行し、不動のものとなった。しかし大流行したおやつ売りの為の紙芝居は所謂娯楽・通俗的という内容であり、その内容に懸念を抱いた人たちが次第に教育的内容を持った紙芝居を制作して行くようにもなった。(現状で残るはこの後者のものがメイン)
 中心の組合が紙芝居を貸与するシステムのため、原本というものはあくまで一つだった。使われた紙芝居は図書館などさまざまな場所に寄付されたが、なにせ使用する事も使用出来る事もなかなかかなわない。更に現在では紙芝居を上演する事も少なく、通俗娯楽的内容のものは殆どなくなっている。このため、通俗的内容で、使用出来るものを復活させるというのが、「新紙芝居創世記」プロジェクトだったということ。

 木馬亭でこの300枚にも及ぶ新作「蛇蝎姫と慚愧丸」を拝見する。
 その前に、のぞきからくりの口上(八百屋お七)・写し絵・黄金バットも体験。
 八百屋お七は江戸を引き回される部分を述べるため、江戸の地理に明るいと面白いと思う。また、むしろ聞く人たちにはその知識が共有されていたのだろうと思う。言った事があるかないかは別にして。彼女は鈴が森で処刑されたんですね。
 写し絵は映画の前段階のようなもの。早変わりする絵柄が非常に面白い。
 黄金バットは感動的に突っ込みどころが満載でした。来ているのは大人達なので、突っ込んでしまう。でもおそらく当時の子供たちはまじめーに聞いていたのだろうかな…
 とりあえず、前編ばっかりで後半がない所に感動(次の日も来てもらう為の仕組みらしいが)。あと、シノハラ博士、危険な目に遭うんだから娘を連れてかなきゃ良いのに…
 あと助けられると博士が「いつもありがとう」って…

 「蛇蝎姫と慚愧丸」は、とりあえずふられた女の逆恨みは怖いという話だと思いました(違)。
 95歳の佐渡さんの絵が何とも言えません。喋ってくれた口談の神田さんの語り口も素晴らしい。いわゆる職人芸の世界だったと思います。榊原さんの音楽も意外さを呼び、欲しい程でした。
 もう、内容については…見た方がいい。そっちの方が楽しめる(笑)と思います。なんというか、通俗的ってこういうことね、みたいな。
 ところでやはり東北地方の人は長州、嫌いなんでしょうね?
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